公開講座

公開講座第一回 サマリー

6月17日公開講座
「バランスの良い食事とフレイル予防」 管理栄養士 土屋 恵 先生(栄養士歴30年)

公開講座 第一回(6月17日実施) サマリー

バランスの良い食事

食事は日常的なことなので、だれかに教わることはありませんが、低栄養を防ぐため、病気の治療のため、子供の成長のため、バランスが大事です。
自分自身が健康でいるために食事は重要です。
子供が巣立って、自分のために作るのが面倒という方もい
ますが、食べてきたものによって体調が良くも悪くもなります。

主食 ごはん、パン、麺類
炭水化物が活動のエネルギー源になります


主菜 肉・魚類・卵・大豆製品
たんぱく質が新しい細胞の原料になり、骨・筋肉・血液などを作ります
どの年代にも一番大切な栄養素

副菜 野菜
たんぱく質の分解・吸収を助けます


朝食~昼食~夕食 のループ
夕食後から次の朝食までの間が空くので、エネルギー補給が必要。自己流の低糖質ダイエットでごはん(主食)を抜くことは危険です。

栄養と栄養素

三大栄養素とは 炭水化物たんぱく質脂質 です。

炭水化物
穀類やいも類に多く含まれており、活動のエネルギー源になります。
1日の食事のエネルギー量のおよそ60%を占めています。


たんぱく質
一日で体重1kgあたり1g以上の摂取が望ましく(例 60kgの人は60g以上)特に朝食のたんぱく質は筋肉量の維持・増加に有効です。
卵は栄養価の高いたんぱく質なのでおすすめです。コレステロールも高いので1日1個の摂取を目安にしましょう。

脂 質
エネルギー源になります。
細胞膜を作っている重要な栄養素です。
脂質を全く取らないと新しい細胞を作ることができません。
脂質を嫌う人もいますが、バランスが重要です。

そのほか

食物繊維
コレステロールが高い人にお勧めです。
老廃物を絡めとって腸の掃除をして、脂肪の吸収を抑えてくれるため、1回の食事に7~8gの摂取が望ましいです。

塩 分
塩分の取りすぎは、脳卒中や心筋梗塞につながる可能性があります。
料理の味の決め手になるので、減らすのが難しいです。
干物やインスタント食品など加工食品に多く含まれています。
塩だけでなく、めんつゆやだしの素も考慮に入れる必要があります。

墨東病院の患者さんの話
・病院食は塩分がコントロールされています
・入院患者さんが一週間病院食を食べると体重が数キロ減ります(塩分と水分が抜ける)
・たくさん塩分をとる・・・体に水分をキープしてしまいます。

必要な栄養
・BMIで目安がわかります(BMI=体重÷身長÷身長)
・寿命が長い人はBMI 22 くらい と生命保険会社は言っています。
・最近は若い女性にBMI18 以下のやせタイプの人も増えています。

高齢者も痩せすぎは危険で、フレイルやサルコペニアの原因となります。
・加齢により骨が減っていることもありフレイル防止のため65才以上は BMI 25 くらいでよいです

薬師寺医師
薬師寺医師

1日の摂取カロリー簡易計算 (身長-100)÷4 に 00 をつける
・例160cm-100=60、60÷4=15、15 の後ろに 00 つけると 1500
 160㎝の方は 1500キロカロリーが目安
になります※注

※注:実際の計算は(身長×身長×BMI×27)・・・1.6×1.6m×22×27=1520kcal

自分のエネルギー摂取は適切か?
Yes:体重の変動がない、適正体重をキープできている。
No :体重が減る
消費量と摂取量の収支バランスが大切
です。
現在の体重も重要ですが、それに至るまでに増加、減少があったかも重要です。

野菜の食べ方

サラダは
① 固くて消化によくない
② 食べづらい
③ ドレッシングやマヨネーズが高カロリー
のため、煮物など加熱するものがおすすめです。
かさが減って量が取れ、やわらかくて食べやすくなります。

自分で作るおすすめドレッシング

ポン酢とオリーブオイルで作るドレッシング

ごま油と酢醤油のドレッシング

料理する際、調味料は使う量が分かる様に皿に出してから使ってほしい