内分泌のお話し 第20回
前回下垂体の画像なんて予告しましたが、大体、普通の人は下垂体なんて…?
下垂体の話 その1
下垂体の位置からです。
イメージとして眼と眼の間、顔から見て真ん中ですね、
横から見れば耳の穴の少し前あたりでしょうか。
頭蓋骨の底頭蓋底の一部が薄いトルコ鞍と呼ばれる薄い骨で垂れ下がっているところに
はまりこんでいる垂れ下がった脳の一部ってところでしょうか。
体ができる時は咽の方からの細胞と、頭の方からの細胞からできるので、
脳であって脳でない感じもあるところです。
解剖を続けます。下垂体そのものは音符♩のような格好で縦棒が下垂体柄で、
お団子が本体でせいぜい1mL以下です。
そして、前葉、中葉(おっと人間にはほとんどありません)、と後葉に分かれます。
下垂体柄について書きますが、細胞ですから血が来ないと死んでしまうので、
そこには下垂体門脈という血流があります。
視床下部の動脈から下垂体を通る血管これが下垂体門脈で、静脈に向かうものです。
下垂体から分泌されるホルモンの体全体への分泌の入口は、この門脈となるわけです。
ここまでついてこられたら読者は凄い。普通は飽きますね。
戻りますが、下垂体に働くホルモンの多くは、視床下部からこの門脈で下垂体に働いてきます。
また、血管だけでなく視床下部の神経から分泌されて、下垂体に効いてくるホルモンもあります。
重要なことは、この下垂体門脈や神経が通る下垂体柄のトラブルや、視床下部に問題があると、
下垂体はうまく働くなることがあるということです。
下垂体ホルモンの異常は、下垂体そのものだけでなく、
そのホルモンの連絡で門脈や、神経の通る下垂体柄だけでも起こることを
知っていただければ幸です。
はじまっていない下垂体の話。では次回へ続きます。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚
2022/9/26