副腎 のお話し 第04回

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副腎のお話し 第4回

アルドステロン症について前回ご託を並べましたが、今回は副腎偶発腫について。

副腎偶発腫とは

偶発腫ってなんでしょうか。腫って書いてあるので腫瘍だは多くの方が分かると思います。
偶発って?だと思います。
偶発腫とは偶然です、偶然って?そう、もともとその病気を診るつもりではなく
画像(超音波、CT、MRIなんか)を撮ったら写っていたとの意味です。

副腎は両腎臓のちょっと上、ちょっと前なんという位置にあるのですが、
人という字の感じで1センチレベルの大きさしかありませんので、昔の粗いCTでは
写らないこともありました。
でも、今の画像は鮮明さが上がり、副腎が写るのですから偶然に画像を撮って腫れていると
副腎偶発腫となるわけです。

もちろん5cmもあったりするとガンを疑うのですが、
取り扱いは副腎腫瘍についても内分泌学会が決めてはいますが、簡単に言えば、
大きさが小さく、大きくならず、いびつな形でないは、悪そうでないので経過を画像で追う、
ホルモンを勝手に腫瘍が作っていれば小さくても手術を考えるとなります。
ただ、アルドステロン症の副腎の腫れが左右両方にあるような場合は、
全てとは言いませんが、悪性のように大きくならないのなら、薬で様子を見るように取り扱いがあります。
となると、偶発腫はまず腫瘍がいいか悪いかを考え、ホルモンの異常の有無を確認して、

良さそうなら経過観察、なんていう手筈になります。

さて、副腎の話だとクッシング症候群の話をしないと…
またまたホルモンが絡むので、

このクッシング症候群は
副腎の腫瘍による、下垂体の腫瘍によるクッシング病、
外性ステロイドによる薬剤性クッシング、
肺がんなどがホルモンをつくってしまった結果の外性ACTH産生腫瘍によるクッシング
など、話はカオスになります。

というところでクッシング症候群は私の宿題にして、偶発腫は概念を知ってください。
偶発腫がもしコルチゾールを作っていれば副腎腫瘍によるクッシング症候群と名前が決まります。

偶発腫は、病気を疑ってみつけたか、どうかで名前がつくのです。

筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚

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