内分泌のお話し 第3回
前回は甲状腺に腫れについて話をしました。
今回は、ホルモンの値についてお話をします。正常値などは結果に書いてありますし、
内分泌専門でない医師は正常値など覚えていませんし覚える必要もありません。
甲状腺ホルモンの血中濃度って?
甲状腺ホルモン(T3・T4、意味は後日、まずはどちらも甲状腺ホルモンの値です)は
サイズが小さいので、甲状腺からホルモンが血液中に出たのちすぐに腎臓から尿として流れ出て、
無くなってしまいます。
それではいくらホルモンをつくっても不足してしまいます。
ところが、ホルモンは血中にでると多くは結合タンパクにくっついて大きくなり、
腎臓で捨てられにくくなります。
ただ、結合タンパクにくっついた状態ではホルモンはホルモンとしての働きをしません。
ホルモンはタンパクから離れるとその作用がでます。この作用できる状態のホルモンを
遊離(Free)のT3(FT3)とか遊離のT4(FT4)と呼ぶわけです。
Free-T3(FT3)、Free-T4(FT4)はタンパクについていないので、この量を測れば
正に働くホルモンの量になります。そこで検査ではこれを測ります。
特に問題がなければ甲状腺からでたホルモン(タンパクにくっついたホルモン)が多ければ、
遊離した(Freeの)ホルモンも多くなります。
次回は甲状腺のホルモンと甲状腺ホルモンを出させるホルモンの話です。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚
2022/5/23