検査の数値が示すもの 第03回

検査の数値が示すもの 第3回

検査とここでお話ししていることは今のところ全て、いわゆる外来で採血したものについてです。
前回ざっと食事について触れてみました。
今回は何を…では検査はなぜするのかといった根本に戻ってみようと思います。

なぜ検査をするのか?

医者の診断ですが、
今、尿一滴でできるがん検診とかの話を混ぜてしまうと違う方向に向かってしまう事もあります。
例えば、がんの細胞等から分泌される液性因子、遺伝子の破片などで腫瘍の存在を予測すること
について一言。
遺伝子は今PCRを使えば大量に増殖させられますから、確かに癌に特異的な遺伝子の断片などがあれば
存在は多分わかるのでしょう。
さらに、生まれつき癌が起きやすい遺伝子配列を持った人がいることも確かですから、

それも重要な事ですが、これは腫瘍内科の範囲なのでここではこれまで。

話は戻りますが、通常の採血の検査に戻ります。
病気の見方を考えるとき、

A 生理学的な考え方、
B 生化学的な考え方、
C 免疫学的な考え方、
D 遺伝子学的考え方
などいろいろな見方があります。
内科に受診した時、患者さんはどこが具合が悪いというでしょう。

問診でそれを知って、診察を行なって、
A 生理学的(普通の人が生きている状況が生理学的に正常な形)に異常が起きていれば、
医師は原因を見つけていくというのが医師の基本です。
それ以降が B や C や D の検査や画像検査などで裏付けになっていくのが原則です。
ですから、本来は検査優先で検査値がおかしいので病気を考えるというのは

逆方向の考え方かもしれません。 

内分泌学でも本来はこの手順で検査はされるものですが、
生理学的な症状がないのに他の病気のために採血をしたら数値が普通とちがう、健診で捕まったなど、
検査が普通にできる現在では、この生理学的に異常ですから検査で確かめるというようには
ならなくなって、検査値から逆に考えることになることもあります。。

単によく肝機能が高いとか、腎機能が悪いとか言われても全く症状に繋がらないこともあります
というか無症状の事も多々あります。
別に専門だからわかるとなどは言いませんが、よく健診で肝機能異常がありますとかと言われたり、

検査結果を見た患者さんが自己判断でどこどこが悪いとおっしゃりますが
それほど単純でもないものです。

臨床生化学(内分泌学はほぼこれだと思います)は、普通に実施する検査の結果を評価するほか、
その検査結果から逆に患者さんの感じていない異常を見つけたり、
病気の存在を考えていく事もその一つです。
単純に採血検査では全部言えない、また正常値が正常とも限らないと、ちょっと思っていてください

筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚

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