糖尿病 のお話し 第01回
糖尿病のお話し 第1回
血糖って何なんでしょうか?
1.体にとって一番簡単に使いやすいものがブドウ糖です。
食べたものは一番のエネルギーとしては、タンパク質や脂質ではなく体中に回すために、
炭水化物をブドウ糖の形にしてまわすことになります。
血液に溶き、もっと詳しく言えば、血液の固形成分の血球を除いた液性成分の血漿にブドウ糖が
溶かれた形にして全身に運びます。その濃度が血糖です。
2.この血糖が持続的に高いことを糖尿病というのですが、糖尿病となると初めに書いたように
「血糖を下げましょう」になっていくわけです。。。。。。。
血糖が高すぎたり、低すぎたら体にわるい、これもよく言われます。
でもここで知っていただきたいことは、
血糖が健康な人と、糖尿病の人ではなんで血糖が違うのでしょうか?
3.ポイントは、「血糖はモニタリングである」ということです。
「栄養であるブドウ糖がうまく使えると血糖は上がらない」だから、血糖を見れば体の栄養状態、
代謝の状況が良ければ血糖は上がらないのです。また通常下がらないように体は調整するのです。
4.すなわち、
「栄養の最も重要なブドウ糖の全身の細胞への分配がおかしくなって、血中にたまったのが糖尿病」
ということになります。
5.採血すれば体がうまく回っているか知ることができるモニタリングが血糖で、
「血糖は下げるものではなく、体の状態をよくして結果、正常化したどうかをみるのが血糖」
と考えたほうが、血糖を下げることを理解するためには良いと思います。
繰り返せば未治療の糖尿病は、
「ブドウ糖をうまく利用できずに血漿の中にたくさん残ってしまった状態」
ということになります。これを血糖でモニタリングするのです。
そして余った血糖は高すぎる高血糖がそれ自体でも悪さをするわけです。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚