糖尿病のお話し 第2回
前回は、血糖は栄養状態のモニタリングの話しました。今回は!
なぜ血糖が高いと高血糖病ではなく糖尿病。
1.もちろん高血糖症(病ではなく症です)で間違いはないのですが、ローマ時代の昔から
糖尿病です。
糖尿病の言葉の意味は「蜂蜜の多尿」(Diabetes Mellites)。
じゃあ、なんで甘―い蜂蜜のおしっこ沢山になってしまうのでしょうか。
2.第1回でも書きましたが、体の栄養素で一番重要なブドウ糖がうまく使われずに血中に
残っているのが糖尿病です。
モニタリングした血糖で考えますと、若い人で血糖が160や170㎎/dlでは尿に
ブドウ糖が出ることはありません。
高齢の方でも200㎎/dlくらいまでは糖はでません。
さらに、正常では尿にブドウ糖は出ませんが、高血糖で尿にブドウ糖がでると尿が濃くなって
尿の浸透圧が高くなって、たくさんの水を血液側から尿に引っ張るので多尿になります。
そのため、昔の人は、まず多尿になって頻尿になってさらに蟻がやってきて、
甘いおしっこ沢山で糖尿病と言い出したわけです。
3.栄養のバランスがうまくないのが糖尿病、甘い多尿になるのが糖尿病、その結果の
多飲になるのが糖尿病、
そして水が血漿から減ってしまうのが糖尿病、
さらには高血糖が悪さをする糖尿病になっていきます。
それをモニターしていけるのが血糖です。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚
2022/5/16