糖尿病のお話し 第9回
糖尿病の治療についての話です
糖尿病の治療の話をしたいと思います。現在の糖尿病は食事、運動、薬物治療ってなるのでしょう。
かつ、治療は合併症の予防や進展阻止が目的だとされます。
いま、どんな病気でも治療の標準化から疾患の取り扱いが定められつつあります。
それに沿った治療がいいとされるわけですが、これがうまくいくなら何にも問題ないわけです。
わたしは都立墨東病院で20年にわたり糖尿病治療をしてきましたが、はっきり言って
それに乗れる患者さまはなかなかおられません。
結局は老年の糖尿病患者さまではないのですが、糖尿病の治療は患者さまひとりひとりで
かわるものなのです。
ただ、まず患者さまに考えてほしいことは、
「食事の変わりは運動ではできない。」「食事や運動変わりは薬ではできない」ということです。
さらには、糖尿病の食事はおいしい。
病気が進んで腎臓がわるくなったり、大血管障害で虚血性心疾患などを合併してしまうと
飯はまずくなる。
これを忘れてほしくないことです。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚