内分泌・糖尿病専門医 吉原医師のコラム 第一回
糖尿病について その1
糖尿病とその予備軍の数は、約2000万人いると言われています。
人口に対しての糖尿病とその予備軍の割合は男性で16.3%、女性で9.3%です(1)。
つまり国民の5~6人に1人が糖尿病の可能性があります。
また、年齢が高いほど糖尿病患者さんの割合は高くなる傾向があります。
糖尿病は特別な人がなる病気ではなく、誰もがなるかもしれない病気なのです。
糖尿病の症状として、
喉の渇き(口渇)、たくさん水分を飲む(多飲)、尿の回数が多くなる(多尿)、
といった症状が良く言われますが、よほど血糖値が高くならない限り症状は出ません。
症状がないため、気づいたときには糖尿病がかなり悪化してしまっていることが少なくありません。
それでは、自分が糖尿病だと気づくにはどうしたら良いのでしょうか。
1.口渇、多飲、多尿などの症状がある場合には、内科を受診する。
2.健康診断を毎年受ける。
2-1.健康診断で糖尿病が疑われると指摘されたときは、内科を受診する。
2-2.健康診断で血糖値が高いことを指摘されなくても、毎年血糖値もしくはHbA1cが上昇してきている、
または尿糖が(+)である場合は、内科を受診する。
検査を受けないと早期の糖尿病は気づくことができません。
検査を受けて、糖尿病かもしれないと思ったら、早め受診して詳しい検査を受けましょう。
参考資料
(1) 平成28年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189.html
筆 者
八木医院
内分泌・代謝専門医、糖尿病専門医
吉原 彩