吉原医師コラム

内分泌・糖尿病専門医 吉原医師のコラム 第四回

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内分泌・糖尿病専門医 吉原医師のコラム 第四回

糖尿病の合併症について 1

【急性に起こるもの】

★糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病性ケトアシドーシスとは
血糖を下げるホルモンであるインスリンが不足すると起こります。

体内の環境が酸性に傾き、高血糖、脱水も伴います。昏睡になることもあります。
1型糖尿病で起きることが多いですが、2型糖尿病でも起こることがあります。
1型糖尿病発症時、インスリンの中断、感染症や外傷などのストレス時、清涼飲料水多飲
などによって、起こります。

★高浸透圧高血糖症候群
高浸透圧高血糖症候群とは
高血糖と水分摂取不足によって起こります。

2型糖尿病の高齢者で起きることが多いです。
感染症などで血糖値が通常より上昇し、食事や水分が摂れず、薬も飲めなくなることなどで

起きる場合が多いです。
高度の脱水状態となり、昏睡状態になることもあります。

治療について
糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群も、高血糖・高度の脱水状態になっており、

入院して大量の輸液とインスリンの投与が必要になります。
強い喉の乾きや意識がもうろうとしている場合は、これらの状態が発症している可能性があるので、
すぐに受診しましょう。

【慢性的に進行するもの】

糖尿病の血糖コントロールが悪い状態が持続すると、血管が障害される合併症が起きてきます。
糖尿病に特有の細い血管が障害される合併症と、高血圧や脂質異常症など他の影響でも起こることがありますが、
糖尿病でより進行しやすい大血管が障害される合併症があります。
これらの他に、重篤な感染症を起こしやすかったり、がんや認知症にもなりやすい言われています。

★最小血管合併症(細い血管が障害される合併症)・・・糖尿病の三大合併症
・神経障害
・網膜症
・腎症

★大血管合併症(太い血管が障害される合併症)
・脳梗塞(脳の血管)
・心筋梗塞・狭心症(心臓の血管)
・閉塞性動脈狭窄症(足の血管)

糖尿病コントロールの主な目的は、これらの慢性的に起こる合併症を予防することです。
次回は慢性的に起こる糖尿病合併症について、詳しく説明したいと思います。

筆 者
八木医院

内分泌・代謝専門医、糖尿病専門医
吉原 彩

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