公開講座

公開講座 第4回 サマリー

10月21日公開講座
「管理栄養士による糖尿病食事指導とは」 管理栄養士 土屋 恵 先生(栄養士歴30年)

公開講座 第4回(10月21日実施)サマリー

糖尿病治療のための食事療法は血糖コントロールを保って合併症を予防する食事
自覚症状がないが、糖尿病は血管の病気とも言われます。
大小の血管の障害を予防するために食事療法は必要です。
インスリン注射や服薬をしても糖尿病では食事療法、運動療法は継続しなければならない治療法です。

食事療法の基本

朝、昼、夕の1日3回、自分の生活に合わせてできるだけ決まった時間に食事をとりましょう
※夜勤の方でも、一定のパターンで食事をしましょう。
主食とおかずでバランスの取れた食事内容を心がけましょう。

主食(炭水化物・脂質)主なエネルギー元
主菜(タンパク質)血液や臓器を作る元
副菜(ビタミン・ミネラル)身体の調子を整える
※かぼちゃ、ジャガイモ・トウモロコシは副菜でなく主食になる

血糖値は食事をすると上がって、エネルギー消費とともに下がってきます。
朝食を抜くと、昼食を食べすぎる傾向になり、さらに夕食後はエネルギー消費する前に寝るので、夜の間血糖値が高いままになります。

朝、昼、夕は同じぐらいの分量の食事が望ましいです。
食べすぎは禁物だが、控えすぎるのも疾病の回復を遅らせる危険があります。
医師の指示どおりの栄養量を守りましょう。

ごはんとおかず、みそ汁などの朝食はトーストとコーヒーだけ朝食とカロリーはほぼ変らないが、栄養素のバランスに優れています。

栄養交換表を使ってみましょう

通常一人分として食べる食品(納豆1パックや卵1個、バナナ1本が相当する)が 80kcal であることが多いた
これを1単位としています。
指示された栄養量を 80kcal で割ったものが1日に摂取する単位数になります。

表1・表2:(炭水化物を多く含む食品)主にエネルギー源になる食品
表3・表4:(タンパク質を多く含む食品)血液や臓器を作る
表5:(脂質を多く含む食品)エネルギー源
表6:(ビタミン・ミネラルを多く含む食品)体の調子を整える
同じ表の中で食品は交換可能、表をまたがっての交換はできない。
一つの表に偏った食品だけをとってはいけない(交換表のモデルのようにまんべんなく配分する)

調理法で変わるエネルギー

同じ食材でも焼く、煮る、ムニエル、揚げるでカロリーは変わります。

焼く
< 煮る(+砂糖・みりん)
< ムニエル(+小麦粉・バター)
< 揚げる(+小麦粉・卵・パン粉・油)

外食は食事バランスのとり方が大切です(一食で主食・主菜・副菜をそろえる)
果物・乳製品は1~2回に分けて摂取しましょう。

腎症予防のため高血圧に注意しましょう


腎症予防のため、減塩・肥満解消・ストレスをためないように。

干物や練り製品などの加工食品はなるべく避け、生の食品を使用して減塩
煮物、汁物はだしを効かせて減塩
レモンやわさびなど香りや風味を生かして減塩

医師の指示栄養量に合わせ、食生活スタイルに合わせて継続しやすい食事療法を考えましょう。