糖尿病のお話し 第8回
前回はヘモグロビンA1cと血糖の乖離の話をしました。
検査の問題点です(愚痴になります)
検査結果はモニタリングですが、そのモニタリング結果は条件で変わってしまいます。
とくに問題なのが
1.貧血などで赤血球の寿命が短くなったりすると、ヘモグロビンの糖化が進まないので
HbA1cは低くめに出て、悪い血糖状態が隠れてしまったりします。
では、血糖だけで判断して良いのでしょうか?
2.血糖についてもよく朝の空腹時だけ血糖を測る人がいますが、
これまた血糖の過小評価の原因となります。
3.逆に、一日の血糖を持続的に測れる機械がで測っているという方もいると思います。
この場合、確かに血糖の傾向はわかるかもしれませんが、その機械は血液中の糖でなく、
間質液内の糖を測っているだけなのです。
そうすると何をやっても….といわれる方がいるかもしれません。
今回は検査の否定的な部分を書いていますが、血糖の測定の時間を変えたりする事によって
糖尿病患者様の血糖の変化を把握することが医者としては重要なので、愚痴の形でお話しました。
次回は糖尿病の治療についての話です
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚