糖尿病のお話し 第7回
前回はヘモグロビンA1c(HbA1c、糖化ヘモグロビンA1c、又はA1c)の話を始めました。
さらに続けます。
ヘモグロビンA1cと血糖で何を考えるか。
何度もお話ししているように、検査結果とはモニタリングです。モニタリングの結果から、
何があるのか考えなければいけません。
以下は、糖尿病の人での話です。
1.コントロールの比較的良い糖尿病の方というのは、下がりすぎの血糖もなく、糖尿病であっても
血糖が極端に上がらない状態ということになります。
HbA1cは7未満となり、実際には血糖は100㎎/dL以下で70㎎/dL以下にもならず、
また上がっても200 ㎎/dLにならないといった方です。
2.ところが、血糖をはかると、あるとき270㎎/dLの血糖でHbA1cは6.2%になる人がいます。
これは血糖が乱高下して下がりすぎ(50㎎/dL以下かもしれません)と血糖上がりすぎの結果でも
HbA1cが6.2%になったという、コントロールの悪い糖尿病の状態を示すことになります。
ヘモグロビンA1cのポイントは、1か月前程度のコントロールを示すことにはなりますが、
血糖が乱高下する場合はコントロールの良し悪しの評価には使えず、時には調子の悪い状態なのに
ヘモグロビンA1cだけみるとコントロールが良いなど間違った結論を出してしまう恐れがあることを
忘れてはいけません。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚