糖尿病のお話し 第16回
合併症の2、心筋梗塞
ちょっと過激かもしれませんが、ある意味無症状で心筋梗塞。
これは、細い血管障害ではなく大血管障害ですが、無症状続きで。
もちろん多くの心筋梗塞や狭心症は、心筋に血が回らなくなる 病気ですから、
悲鳴を上げるためとてもひどい胸をかきむしるようなまたは何かに押しつぶされそうな
全胸部の痛みがあるものです。
糖尿病で動脈硬化が進み血の巡りが悪くなるのが原因。
脳梗塞の一部も同じように血管がつまるわけですが。
心筋梗塞にもどりますが、心臓の筋肉に血の行かないんだから、全然無症状では無いではないかと
皆さんが思うのは当然ですが、ここに神経障害が関わってくるのです。
単純には言えません が、こちらは細い血管の障害が一つの原因ですが、糖尿病で起こります。
神経障害は、運動神経 がやられれば手足などの筋肉が動か無くなります。
無いわけでは無いのですがこのような単神経障害よりも通常糖尿病の神経障害としては、
感覚神経の障害が前面に出てきます。
普通は、足の 裏の感覚が変、足がジンジンするなどむしろ有痛性の異常感があります。
でも感覚神経ですから感覚を感じなくなってしまう障害もあるわけで、
もしも感じなかったら痛く無いかもということは自明ですね。
まあ、この辺は末梢神経、どちらかというと手足のような体の端の話のように聞こえ
始めの心筋梗塞とはぶっ飛んでいると感じられるかもしれませんが、おぼえておいてください。
ところが、神経には自律神経というものもあり、多くは内臓の調節をしているものがあります。
かつまたその中に臓器の感覚神経を含むものもあります。
さあまた話が飛び始めてしまいまし た。 無責任に16回はここまで、次回は自律神経に行きます。
なぜって?それは末梢の神経障害はそれだけでは患者さんは辛いけれど、直接は命には関わりませんから?
とは言いませんが。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚