内分泌 のお話し 第22回

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内分泌のお話し 第22回

多尿

下垂体の話をしていたと思いますが、
MRIを撮ると、下垂体は横から耳の方から(少し医学的に言えばSagital section(T1強調)で)
白く(高信号)に見えるところがあります。
それが下垂体後葉で、半月が少しかけたように三日月より太いか?に写ります。
(下垂体が前葉の腫れ物で少し位置がずれると横からみると少しずれたり、一部が見えたりします。)
後葉の話で一番問題なのはその後葉が見つからない時です。
簡単に言えば、後葉が働いていない可能性があるということです。

後葉が働かなかったらどうなるかというと、抗利尿ホルモンが出て来ないということになります。
抗利尿ホルモン、その名前をバソプレッシンと言います。
腎臓での原尿
(一日100L以上になります。人間の血液は5L程度ですが、何回も腎臓を通過し何回も原尿になるから)を

アルドステロンやこのバソプレッシンの刺激で腎臓で尿から血液に戻しています。
水取ることが出来ない時などは、バソプレッシンが沢山出て、体から水が出て行かないようにします。

じゃあ、ホルモンが無くなったら、尿は出っ放し、多尿。1日15Lを越えます。
そうすると血がひどく濃くなる訳です。
これを尿崩症というのですが、飲んでも飲んでも水が足りません。
必ずしも多尿は糖尿病の専売特許ではありません。

病気や他の理由で、いらないのにバソプレッシンの出る、抗利尿ホルモン不適切分泌症候群
という病気もあります。

これからは、多くは精神状態も絡んでくるのですが、
普通にバソプレッシンが出る人が、逆に水を飲み過ぎたらどうなるでしょうか。
ホルモンは減って出なくなり尿量を増やします。
心因性の多飲はまだ水が捨てられていることがほとんどですが、すてられなくなる…
どのくらいまで水は、尿に出せるか?
腎臓は色々頑張って、最大1日15Lまではいらない水は尿に捨てられるようです。
それを超えると、それ以上に水は出て行かないので今度は血液が薄まってしまって、
血液中の電解質がおかしくなります。これが水中毒です。

次は水中毒お話です。

筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚

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