糖尿病のお話し 第14回
「シックデイ」です。英語では「Sick day」です。ひとことで言えば調子の悪い日です。
シックデイ
糖尿病は繰り返しますがなんでもなければ普通の生活をする病気です。
食事もちゃんとして、自分のからだで糖代謝がうまくいかないから薬やインスリンを補って
生活するのが糖尿病の療養生活です。
ってことは食事のできないような体調のときには、これらがうまく回らないわけです。
1型糖尿病の患者では、インスリンを半分注射しましょうとか普通は糖尿病教育を受けられて
いるとは思いますが、なかなか2型患者さんはシックデイなど知らない人がひとがいっぱい。
たとえば、食べてないからインスリンをうたない、薬を飲まないといった検診前の指示がありますが、
シックデイでは、そんなに簡単にいかないのです。
人は脱水になってはいけないし、低血糖もまずいし、極端な高血糖もこまるわけです。
まして必ずというわけではありませんが、何か調子の悪い時は、食べていなくても
糖尿病の患者さんは高血糖になっていることが多く、単純に低血糖をおそれて
インスリンをゼロにしたり、全く薬をなしでいいか難しいところです。
災害とはちがいますが、なんとか水分を確保して、かつある程度のカロリーを確保
(スープくらいとはいううのですが、なんとも)、そして一番いいのはインスリンなのですが
それで体をキープするのがシックデイのときの患者さんとなります。
とは、いうものの、なかなか対応は絵に描いた餅のようにはいかないとおもいますが、
覚えていてほしいことで一番大切なのは、体調で糖尿病の患者さんが2食食べられないような
体調のときは医療機関を受診すべきです。
こんな時、救急をやっている医療機関がアドバイスをしなかったら、それは変です。
筆 者
八木医院 内分泌・代謝専門医
薬師寺 史厚